料金未納訴訟最終通達書で勉強してみた。

 最近ようやく民法の厚さ1cmくらいの薄い本を1冊と、民訴の同じく薄い本を1冊を途中くらいまで読んだのですが、わりと事例が想定できないパターンが多くて疲れてきました。
 そんな訳で、その知識をなんか実際に役に立ててみればモチベも上がるかもみたいな感じで、適当に検索してみたところ、変なのが見つかりました。

 その名も、ある日突然届くという、

 ・料金未納訴訟最終通達書

 と言うハガキ。

 「料金未納訴訟最終通達書」自体が、そもそも聞いたことがない奴です。しかも未納訴訟の上、通達書とか、なんか変な感じがビシバシしますね。かなり大量に出回っているもののようですが、内容は大体に通っていて、一例では以下のような感じのようです。

>>>引用開始
訴訟番号  平成**********
 この度、ご通知致しましたのは、貴方の未納されました消費料金について契約会社、ないしは運営会社から民事訴訟として、訴状の提出をされました事をご通知致します。
 以降、下に設けられた裁判取り下げ最終期日を経て訴訟を開始させて頂きます。

 このままご連絡なき場合には、原告側の主張が全面的に受理され裁判後の措置として、給与差し押さえ及び、動産物、不動産差し押さえを執行官の立ち合いのもと強制的に履行させて頂きますので裁判所執行官による「執行証書の交付」を承諾して頂きますので、ご了承ください。

民事訴訟及び、裁判取り下げ等のご相談に関しましては当局にて受け賜っておりますので職員までお問い合わせ下さい。尚、書面での通達となりますのでプライバシー保護の為、ご本人様から御連絡頂きますようお願い申し上げます。以上を持ちまして最終通告とさせて頂きます。

※裁判取り下げ最終期限 平成*****
〒***
東京都*****
法務局認定法人   民事訴訟通達管理局

>>>引用ここまで

 結論から言うと、あちこちのお役所から出ている注意を参照する限り100%の詐欺です。もし本当に届いてしまったら、「絶対に記載の連絡先には連絡しない」のが対策になります。

 ・・・が、実際に自分で受け取ってしまった場合は、大体舞い上がってしまって正常な判断ができなかったり、不安になったりすると思います。またちょっと文面をひねられたら、判断が難しくなってしまうかもしれません。
 そんな訳で今回は本を1冊とちょっとくらい読んだ知識で、自分で見分けるとしたら、どのような場所を見れば良さそうなのか、ちょっと考えてみることにしました。もちろん学習中のため、内容の正当性については参考程度でお願いします。

>料金未納訴訟最終通達書

 まずはハガキのタイトルですね。裁判の過程で最終送達書とか見た記憶がないんですが、どうなんでしょうか。そもそも、仮にも送達なら、書留郵便辺りの手渡し系で来るようなイメージは一つ違和感だと思います。

>訴訟番号  平成****
> この度、ご通知致しましたのは、貴方の未納されました消費料金について契約会社、
>ないしは運営会社から民事訴訟として、訴状の提出をされました事をご通知致します。
 
 とりあえず、訴状が出てるのに、裁判所から期日呼び出し状とか、訴状の副本とか送達されて来ないのはなぜなのでしょうか。このハガキが届くという事は、とりあえず相手方当事者にこちらの住所は分かっているはずなので、いきなり普通の送達以外の手段が取られるのはちょっと変な気がします。
 
> 以降、下に設けられた裁判取り下げ最終期日を経て訴訟を開始させて頂きます。
 
 そもそも、訴状の副本をもらっていないので、これだと答弁書出せないまま訴訟に突入なんですが。なんかこう、テレビとかの「裁判は酷い」のイメージ通りではありますが、今回読んだ本の訴訟の流れ的には明らかに1段すっ飛ばしてる感じがします。
 後、訴えの取り下げは判決の確定までできるみたいな説明があった気がします。だとすると、既に判決が確定してることになるので、うっすらおかしい感じがします。
 
> このままご連絡なき場合には、原告側の主張が全面的に受理され裁判後の措置として、
>給与差し押さえ及び、動産物、不動産差し押さえを執行官の立ち合いのもと強制的に履行
>させて頂きますので裁判所執行官による「執行証書の交付」を承諾して頂きますので、ご了承ください。
 
 欠席すると全面受理辺りは、ちょっとテレビとかの「裁判は酷い」イメージにちょっとぴったりですね。まあ、連絡も何も訴状すら届いていないので、どうしようもない辺りは違和感だと思います。

 そして、執行証書です。本に書いてありましたよ、これ。もっとも、その説明の中では。訴訟前に公証役場で作っておいて、裁判しなくても強制履行できる場合があるところがメリットみたいなイメージの記載だったので、裁判後に交付(作成?)されるのはなんか変な気がします。
 と言うのも、勝訴後なら、確定判決を債務名義にして強制履行できそうな気がする辺りが違和感です。

> 民事訴訟及び、裁判取り下げ等のご相談に関しましては当局にて受け賜っておりますので職員まで
>お問い合わせ下さい。尚、書面での通達となりますのでプライバシー保護の為、ご本人様から御連絡
>頂きますようお願い申し上げます。以上を持ちまして最終通告とさせて頂きます。

 プライバシーが大事ならせめて封書で送達して欲しいわけです。後は以前と同様にハガキで送達はできない気がします。
 
> ※裁判取り下げ最終期限 平成17年8月9日
>〒102-0093
>東京都千代田区平河町1丁目9番地7号
>法務局認定法人   民事訴訟通達管理局
>0120-298-788(管理課)
>電話受付時間 9時~18時
>休日  (土曜日・日曜日・祝日)

 ちなみに知識がなくても割と信頼できそうな見分け方法としては、このなんとか管理局と言うのを検索してみると良いそうです。どうやら普通に実在しないようです。
 
 にしても、ここまで雑だと、逆にある程度、検挙された際の言い訳とかに使うつもりなのでしょうか。通常の注意をしてれば解る、みたいな感じで。
 とりあえず、本1冊程度の知識では、解釈がおかしいところもあるかもしれませんが、「どこがおかしいのか」を探すのはちょっと面白かったです。
 

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とある企業の知財部で働く一応弁理士です。 国内特許系メインの日々の業務とか、試験対策ネタとか書いています。 受験時代は某L社系列の某B,M講師をメインに習っていました。 Copyright (C) 2010 - 2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

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